プレスリリース

2024.12.10 プレスリリース   

プログラミング言語別提示年収ランキング、2年連続Goが1位に。paiza、「プログラミング言語に関する調査(2024年版)」の結果を発表

ITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォーム「paiza(パイザ)」を運営するpaiza株式会社は、paiza(https://paiza.jp/)登録者のITエンジニア、プログラミング学習者を対象に「プログラミング言語に関する調査(2024年版)」を実施しました。


paizaの累計会員数は、2024年12月現在約81.3万人であり、paiza利用者の動向を知ることは、国内のITエンジニアやプログラミング学習者の動向を知る一つの手がかりになります。深刻なITエンジニア不足が叫ばれる昨今、企業はどうすれば自社に必要なITエンジニア人材を的確に採用できるのかを考えたり、個人は就職、転職に活かしやすい言語を知ったり、学習する言語を選択する際の参考にしていただけますと幸いです。

以下の通り、結果を発表いたします。



■paizaのデータから読み解くオススメプログラミング言語2024

提示年収が高い言語ランキング

1位:Go 711万円、2位:TypeScript 698万円、3位:Scala 680万円

※「提示年収が高い言語ランキング」の調査方法:2023年、2024年に「paiza転職」に掲載した企業の求人票に記載された年収を言語別に集計し、記載年収の中央の値(年収600万円~800万円と記載されている場合は700万円)に基づき平均を算出。(調査対象の求人票数:2023年13,974件、2024年10,387件)

提示年収ランキングのトップ3はGo、TypeScript、Scala

2024年の提示年収が高い言語ランキングでは、Go、TypeScript、Scalaがトップ3となりました。

また、1位から6位までは2023年の同ランキングから順位が動いていないなど、昨年と比較して言語別需給バランスに大きな変動が無かったことがうかがえます。

一般的に、JavaScriptは多くのソフトウェア開発現場で利用されてきた背景がありますが、昨今大規模なシステムを中心に TypeScriptへの移行が見受けられています。TypeScriptの提示年収が高まっている背景には、この移行が影響している可能性もあるのではないかと考えております。



穴場言語ランキング

1位:Kotlin、2位:Swift、3位:Go

※「穴場言語ランキング」の調査方法:2024年に「paiza転職」に掲載された求人票数(言語別に集計)を、「paiza転職」経由での応募者数(経験言語別で集計)で割ったものを本調査では"スキル需要指数"として表記。(Kotlinの求人にKotlin経験者が応募した場合1件とカウントする。複数言語経験や複数求人への応募も重複カウントとする)(調査対象の求人票数:10,387件)

転職活動において比較的ライバルが少ない?!穴場言語1位はKotlin

本表では企業の求人が多い(≒求められている)にも関わらず応募者数が少ない言語を"穴場言語"として表記しております。

1位:Kotlin、2位:Swift、3位:Goという結果になりました。

KotlinはAndroidアプリの開発、SwiftはiOSアプリの開発、Goは膨大なデータを扱うサービス開発(大規模なユーザー数を保有するサービスの開発)に適しています。

アプリの開発でニーズが高まっている中で、相対的に応募者が少なく転職活動においては比較的ライバルが少ない可能性があるのではないか、と考えられます。



■paizaのデータから読み解くプログラミング言語トレンド2024

人気言語ランキング(社会人編)
※人気言語ランキング(社会人編)の調査方法:2020~2024年に社会人会員から提出された「paizaスキルチェック*」のうち、本調査ではランクが測定できるテストのみを抽出。その言語別に受験したユニークユーザー数のランキングを算出(2020年:n=33,369、2021年:n=33,392、2022年:n=36,169、2023年:n=42,320、2024年:n=36,790)

PythonとJavaは不動のワン、ツー

PythonはAI開発やデータ分析に強い言語であり、昨今のAIの発展による影響が考えられます。

また、Javaは大手SIの開発からゲームの開発まで幅広く使われ続けているため高い人気を維持し続けていると考察いたします。



PHPやRubyから他言語へと人気が分散している可能性がある

2022年まで3位をキープしていたPHPは、昨年・今年で1つずつ順位を落とし、今年は5位という結果になりました。

PHPは文法が比較的シンプルであり、未経験者でも学習しやすいなど、学習のハードルが低いため初学者に人気がある言語です。 一方、インタプリタ型言語でコンパイラ型言語と比較すると処理速度が遅い傾向にあります。
Webアプリケーションの開発に適した言語である一方、市場が急拡大しているモバイルアプリケーションの開発においては、他の言語(AndroidであればKotlin、iOSであればSwift等)を用いることが多いです。
こういった背景から、少しずつ他言語へと人気が分散していることが、今回の低迷につながっているのではと推測しています。
RubyもPHPとほぼ同様の理由で順位を落としているのではないか、と考えています。



JavaScriptの台頭

2020年に6位だったJavaScriptは徐々に順位を上げ、2024年はトップ3入りを果たしました。

フロントエンド開発にもバックエンド開発にも使用でき汎用性が高いことや、多数のライブラリやフレームワークが存在するためシステム開発において適応性が高いことが順位を上げてきた背景にあると推測しています。



人気言語ランキング(学生編)
※人気言語ランキング(学生編)の調査方法:2020~2024年に学生会員から提出された「paizaスキルチェック*」のうち、本調査ではランクが測定できるテストのみを抽出。その言語別に受験したユニークユーザー数のランキングを算出。(2020年:n=19,048、2021年:n=22,605、2022年:n=25,257、2023年:n=32,545、2024年:n=30,379)

学生の中ではPython、Java、C、C++、C#が不動のトップ5

C言語はPythonやRuby、PHP等のプログラミング言語のもととなっていることや、OSの記述に多く使われているため、いわばシステム開発の基礎と言えると思います。そのため、情報系学部に通う学生が学ぶ言語としてC言語が選択されることが多くあることが背景として考えられます。

Pythonはコードの読み書きが比較的容易で取り組みやすいということに加え、「DNCL2」という大学入学共通テスト専用の擬似プログラミング言語によく似ていることや、AI・機械学習などに使われる言語であることから学生からの学習人気が高いと想定されます。



■全体考察・所感

「転職における言語別の提示年収」は、全言語平均で前年比約10万円上昇しました。昨年の調査の際には前年比23.2万円というデータが出ており、上がり幅は少ないものの引き続き提示年収の上昇が見受けられます。

社会人の学習で人気が高い言語は、5年連続Python、Javaが1位と2位になりました。AI開発やデータ分析といった現在のトレンドが色濃くあらわれている一方で、システム開発において従来から根強く支持されている開発言語が引き続き存在感を示している、と言えるでしょう。

学生の言語学習ではPython、Java、C、C++、C#が不動のトップ5となっています。上記で記載した内容に加え、プログラミング学習をカリキュラムとして取り入れている場合、数年で異なる言語を扱うとなると指導者側の負担や教材使用の兼ね合いから学習人気が固定化されていると推測いたします。



■参考プレスリリース

プログラミング言語に関する調査(2023年版)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000152.000012063.html

プログラミング言語に関する調査(2022年版)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000127.000012063.html

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